今年もゴールデンウィークが始まりました。海外旅行を計画している際に、薬は持って行けるのかどうか、不安に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。海外旅行では、薬の持ち込みにはいろいろなルールがあることは旅行会社などから説明を受ける機会があると思います。持ち込む薬によっては特別な手続きが必要な場合もあり、例えば持ち込み禁止薬や、スーツケースに入れて良いのかどうか、また機内に持ち込むべきかなど、様々な疑問があるかと思います。また、留学や出張などで長期滞在する場合には、薬の準備や持ち込みにさらに注意が必要です。どのような薬が海外に持ち込めないのか、税関での手続きの仕方、海外旅行での薬の持ち込み方法や、おすすめの薬やサプリメントの持ち込みについて、持って行った場合の注意点など様々な疑問をクリアする必要があります。
当院では、従来より海外渡航に伴う治療の継続をサポートするための情報提供を行うとともに、診断書や服用薬剤情報提供書類等を提供させていただいております。ご不安に思われる方は迷わず当院の「薬剤師(お薬相談)外来」にご相談いただければ幸いです。

薬剤師 堀 正二
【topics】
国によって持ち込みが禁止されている市販薬があることをご存じですか?
2025年4月より、韓国関税庁は鎮痛剤「イブ(EVE)」など一般用医薬品に含まれる成分「アリルイソプロピルアセチル尿素」が向精神薬に該当するとして取り締まりを強化していますので、韓国入国の際はご注意ください。

【主な持ち込み禁止薬】

・イブクイック頭痛薬DX
・イブクイック頭痛薬
・イブA錠
・イブA錠EX
・バファリンプレミアム
・ロキソニンSプレミアム
・セデス・ハイ
・ノーシンピュア
・ノーエチW顆粒
・ウット(睡眠改善薬)
その他>>参照:アリルイソプロピルアセチル尿素を含む市販薬
なお、院外処方箋を通じて提供される医療用医薬品に関するサポートとして
当院でご説明させていただいている共通の注意事項は下記のとおりです。
1.どのような医薬品を服用しているのか、どのような病気・症状によりその医薬品を服用しているのか、説明できる文書を準備しましょう。
2.医薬品は、本来の容器に入れたまま持参しましょう。
注)複数の錠剤などを一度に服用する必要があって、一度に服用する分をPTPシートなどから取り出して一包みにしている場合(「一包化」と言います。)は、事前に薬剤師に相談しましょう。
注)粉薬は、海外では違法薬物の疑いを掛けられるおそれがあるので、そのような医薬品を服用している場合には、他の剤形の医薬品に変更できないか、事前に医師や薬剤師に相談しましょう。
3.医薬品は、渡航中に必要と考えられる分を超えて持参することは避けましょう。
4.医薬品を渡航者が自ら持ち込まずに、別に郵送したりすることは避けましょう。
5.事前に、渡航先の国の情報を十分に確認しましょう。(詳細は、下記のURLを参照してください。)
注)渡航先の国によっては、その国の医薬品の持ち込み・持ち出しのルールをインターネット上で説明している場合があります。このような情報を入手して、必要な手続きを確認しましょう。旅行会社を利用して旅行する場合には、旅行会社に渡航先の国に医薬品の持ち込み・持ち出しが可能か、事前に相談しましょう。
6.医薬品によっては、日本から出国で持ち出すことや、日本に帰国で持ち込むことにも事前に手続きが必要な場合があります。
注)医療用麻薬は、医師から処方を受けた本人が自己の疾病の治療の目的で、日本から出国時に携帯して持ち出すこと、日本に帰国時に携帯して持ち込むことのそれぞれについて、事前に厚生労働省地方厚生局麻薬取締部に申請して、許可を得る必要があります。医療用麻薬を郵送で持ち出し・持ち込みしたり、他人用の医療用麻薬を持ち込み・持ち出しすることはできません。(許可の申請方法などは、下記のURLを参照してください。)
注)医療用向精神薬は、医師から処方を受けた本人が自己の疾病の治療の目的で、日本から出国時に携帯して持ち出すこと、日本に帰国時に携帯して持ち込むことができます。ただし、「1か月分を超える分量」又は「注射剤である医療用の向精神薬」を携帯して日本に持ち込む場合は、医師からの処方せんの写し等、自己の疾病の治療のため特に必要であることを証明する書類を携行する必要があります。(詳細は、下記のURLを参照してください。)