本年3月にホームページ(http://shinkai-crinic.com/2025/03/13/【感染症情報】全国的に百日咳が増加しています/)でお伝えしている通り、全国的に百日咳が増加し続けています。百日咳は2020年の新型コロナウイルス感染症の発生以降、届出報告数は減少していましたが、2025年は届け出がすでに100件(4月24日時点)を超えており、現行統計が開始された2018年以降最大の流行となる恐れがあります。年齢別にみると10代以下が約8割を占めておりますが、子どもより軽症であることが多い成人については、過小診断になっている可能性が懸念されており、今後も注意が必要です。
思い当たる症状がある、あるいは身近に百日咳の診断を受けた方がいる場合は、お早めに当院に受診あるいは相談いただきますようお願いします。

院長 足羽 敦子
◆診断時に患者にお伝えしている事項について◆


1.患者からの2次感染の防止について
患者から感染させる期間(カタル症状出現~抗菌薬内服開始の5日後まで)に接触者がいた場合、患者様には下記1)~3)について、ご理解いただきますようお願いします。
1)患者のカタル症状出現の5日後~抗菌薬開始の5日後から数えて3週間後までの間は、接触者の発病危険期間として、カタル症状出現の有無を注意深く観察すること。
2)上記期間に接触者にカタル症状が出現した場合、百日咳患者が身近にいたことを伝えた上で早めに医療機関を受診すること。
3)カタル症状の期間に抗菌薬を内服することで、咳嗽予防に効果があること。
2.学校保健安全法の出席停止の扱いについて
百日咳は学校保健安全法で出席停止の扱いとなる感染症です。出席停止期間は、特有の咳が消失するまで又は5日間の適正な抗菌薬による治療が終了するまでとなっています。ただし病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めたときは、この限りではありません。